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外反母趾になる原因
外反母趾はいろいろな原因で発症するといわれています。一般的には、「足に合わない細い靴を履いていることで、母趾が圧迫されて変形していまい外反母趾が発症する」といわれています。
主な要因
- 足に合わない靴の着用(大きすぎる靴、小さすぎる靴)
- 靴の形状(ハイヒール、安全靴、長靴、ミュール、etc.)
- 母趾が第2足趾より長い(エジプト型の足)
- 遺伝
- 関節リウマチ
- 全身関節弛緩性
- 回内足(距骨下関節回内)
- 偏平足
- 肥満
- 筋力低下
- 靴を履く時間が長い
- 立ち仕事
一般的には、「足に合わない細い靴を履いていることで、母趾が圧迫されて変形していまい外反母趾が発症する」といわれています。
本当に靴だけが原因なのでしょうか
外反母趾はハイヒールような細い靴が原因と思っておられる方が多いのですが、ハイヒールを履いたことがない男性にも外反母趾は発症します。このことからも、ハイヒールだけが原因ではないとわかっていただけると思います。
当院で考える外反母趾の原因
当院では、文献からの知見と、多くの外反母趾の方や、スポーツ選手の足を診てきた経験から、回内足が外反母趾発症に大きく影響していると考えています。
回内足とは
- 回内足:踵を後ろから見て内側に倒れている足
- 回外足:踵を後ろから見てまっすぐか、やや外側に倒れている足
回内足とは、偏平足と思っていただければ分かりやすいと思います。
※回内・回外は、厳密には後足部(距骨下関節)での動きを示しています。距骨下関節が回内すると足全体が内側に倒れるので、大半の方に偏平足が発症します。
なぜ回内足になるのでしょうか
歩行時に足は、回内・回外を繰り返しています。回内することで足全体の柔軟性が高くなり、接地時の衝撃を吸収します。蹴り出す時は、反対側(非荷重側)を振り出すことで、骨盤が外旋し下行性の運動連鎖によって距骨下関節が回外することで足全体が硬くなり、効率的に蹴り出しの力を地面に伝えています。
下の図は足を後方から見たものです。下腿骨(膝から下の骨)と踵骨の角度がまっすぐではなく、踵骨がやや外側に倒れてことが分かりいただけると思います。
人間は立って歩くようになって、でこぼこな道や不整地を歩くうえで、衝撃を吸収しやすいように(回内の運動が起こりやすいように)進化してこのような足の形態になりました。
日本人は、厚生労働省の統計(令和元年国民健康・栄養調査報告)によると1日平均で「男性で7,162歩」、「女性で6,105歩」歩いているといわれています。年間に換算すると、男性で2,614,130歩(261万歩)、女性で2,228,325歩(222万歩)になります。これだけの回数、衝撃を吸収するため回内運動を行っているので、回内足方向にバランスを崩しやすくなります。
回内足によって外反母趾が発症するメカニズム
距骨下関節が回内することで、中足骨の横アーチが低下しショックを吸収します。しかし、回内足の方はこの状態が続くことで、下の図のような横アーチが低下した開張足と呼ばれる状態となります。
開帳足になると、第一中足骨は内に開き(内転)、母趾は床からの反力と筋の引っ張る力で外転し外反母趾が発症します。
下の図は、上記の説明をより詳しく示したものです。
距骨下関節が回内すると、ショパール関節:背屈・外転・内反、第1中足骨:背屈・内転・内反、母趾MTP 関節:外転・外反
回内足で特に外反母趾になりやすい方の特徴
回内足でも外反母趾になっていない方もおられます。どのような方が外反母趾になりやすいかというと、関節が生まれつき柔らかい方、筋力の弱い方です。
男性に比べて女性に圧倒的に外反母趾が多い原因は、関節の柔らかさと筋力の弱さが関係していいます。
関節の柔らかさは生まれ持ったものなのでどうしようもありませんが、筋肉を鍛えることは外反母趾の方に大変有効です。
回内足が原因で発症すると思われる疾患
- 関節の変形
外反母趾、強剛母趾、リスフラン関節症、変形性足関節症、変形性膝関節症、腰椎症、頚椎症 - 爪の異常
陥入爪(巻き爪)、重複爪 - 足のしびれ
ジョガーズフット、モートン病、足根管症候群、ハンター管症候群 - 骨の痛み
中足骨骨頭部痛、外脛骨障害、種子骨障害、足根洞症候群 - 腱、靭帯の痛み
足底腱膜炎、アキレス腱炎、後脛骨筋機能不全、腸脛靭帯炎、鵞足炎、シンスプリント - できもの
タコ、魚の目、イボ - その他
むくみ、こむら返り、下半身太り、歩行の遅さ、ふらつき
側弯症と外反母趾
当院では、側弯症(そくわんしょう)と外反母趾の関係もあると考えております。側弯症とは、思春期に背骨が曲がってしまう病気で、学校でも早期発見のためにレントゲン検査が行われています。側弯症は、「横への変形+捻られるように変形」します。
このような上半身の歪み(変形)があると、骨盤 ➡ 股関節 ➡ 膝 ➡ 足へと下行性の運動連鎖によって、ストレスが掛かり、外反母趾が発症します。この場合は、片足のみの発症が多い印象です。
※これは側弯症に限らず、上半身の歪みがきつい方にも外反母趾は発症します。
当院の原因に対する治療
当院は、原因に対する治療を行うことに重点を置いております。これは外反母趾の治療でも同様で、足に原因がある場合は足の治療を、上半身に原因がある場合は上半身の治療も合わせて行わないと外反母趾は改善しません。
当院は、患者様の状態をしっかりと診させていただいて、症状の原因に対する治療を行っております。
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